最初から違ってた

私の周りだけ小さい戦争が起こってた 

銀色の弾丸の雨

 

特別な戦い

それがなぜだったのか思い出した

 

 2017,01,31

私はただ真っ暗闇で燃えている松明のようになりたい

肌を焼き、髪を燃やす綺麗な火のようになりたい

世界はどろどろで暗く私は根が生えたように拘束されていたが、光がそれらを鏡のように照らした。私は懸命に呼吸していたい

 

 2016,10,06

生きれるだけ生きようと思うの
芸術はイカロスの翼
飛べば飛ぶほど、太陽が私を殺しに来る
それでも私は海の切れ落ちる辺りまで飛んで、その恐ろしさに心臓を摑まれたい
真っ黒な滝となった海が落ちていく奈落の、一瞬の冷たさに串刺しになりたいの

 

 

2016,9,23

 

子供の頃、私は友だちがたくさんいた

それは本と映画とマンガだった

 

頭の中の世界はすごく広くて、何時間そっちの世界にいても退屈しなかった

寂しいと思ったことがなく、人間の友だちが必要だと感じたこともなかった

 

2016,9,21

心がいつも都会の光を映しまくってる黒いピカピカした水溜りみたいだったらいいな

 

2016,7,30

骸骨みたいな体で、少女みたいに透き通ったまっすぐな声

何か拒絶してる

大きな目で跳ね返してる

 

圧倒的な純粋さ

濁らないこと、淀まないこと

そして邪悪なこと

 

2016,6,8

無目的に息するみたいに美しいものを編み出したい

指先から何もしないでも美が垂れ流しになってたい

ナメクジが這うとそこにテラテラした色の帯が残るみたいに

 

2016,6,7

絵の具は排泄に似てる、嘔吐に似てる

溶けた宝石

 

2016,6,5

なんで私、私なのか?

 

2016,2,2

私は イメージというどこにでも行けるかたちになって いつもきみのそばにいる

 

2015,10,31

井戸の底で助けてって叫ぶと、真っ暗な穴の端から手をさしのべてくれるのはわたしなの

わたしはわたしの暗闇に手をさしのべる

わたしはわたしの腕をつかむ

井戸は逆さまになってどっちが上かわからなくなる


2015,9,15

私は窒息して生まれた

母親のへその緒がからまっていて、あと数分遅かったら死んでいたと医者に告げられたそうだ

それを聞いたとき、私は生まれるときから母親に殺されかけたのだと思った

母親はとても怖かったから

 

私は、真理子、という名前を付けられたが、男の子の格好をして育てられた

学校では少しいじめられた

ときどき痴漢に合い、痴漢はいつも大人の男だった

頭が混乱し、わたしやぼくといった一人称を選択することができなくなった

話したくても、話せないので、多くの時間を一人で過ごした

 

スカートを初めてはいたのは、13歳のとき

中学校の制服だ

自分のスカートはまだ持っていなかったけど、異様な感覚がした

その感じは自分の名前を書くときにも起こった

真理子

「真理を述べる子、ほんとうのことを言う子」という意味で名付けられたそうだ

 

今でも奇妙な感じがする

私の中に小さいマリコちゃんがいる

彼女は混乱している

ずっと

 

2015,8,31

ニンフォマニアック

手を伸ばして、私のやり方で現実とセックスする

時間の粘膜の中に入って心臓をどきどきさせる

 

時間の粘膜の中をペニスみたいになって進んでいく

出たり、入ったり、出たり、入ったり

 

絵は一瞬にしてできる

一瞬で射精してしまうみたいに

 

きみの静かな生を私が一番高い温度で原爆みたいに焼き付けてあげる

 

私は人間関係を壊しやすい

現れて消えていく人を原爆みたいに焼き付ける

 

「壁」はなくなるかもしれない

それは「時間の粘膜」という穴/トンネルになる

 

2015,7,2

言いたいことがある、言葉がない、言いたいことを言うための言語がない

動物は吠える、毛を逆立てる

私は苦しい、叫びたい、声がない、耳がない、目がない、閉じた皮袋、もがく、手足がない、溶ける、その感じは何かに似ている、井戸の中の死体、蠅の友達、見上げる目の玉、十円玉みたいな青空


2015,6,21

私は吠えたりない犬

歯が痒くて白目をむいてヨダレを垂らしてる

私は吠えたりない犬


2015,6,21

ゴダールの「さらば、愛の言葉よ」を観た

誰かの記憶をそのまま見ているような断片的な映像の羅列だった

 

私は自分の絵を1枚持っていて、流されていないトイレに2回遭遇した

 

2015,4,14

みんなが嘘を吐いているのだと私には分かる

何もかもが憎い

何もかもが嘘を吐いている

私は利用される、それは友達や恋人の顔をしてやってくる

嘘吐きばっかり

 

2014,12,23

可愛い汚い悪魔の心

おこさないで階段くらかった髪の毛の魔、手触りの魔

内側から光る顔

とくに真っ白な歯

 

2013,11,16

 

言葉は鳴き声の一つだと思う

 

2013,11,14

飼い主の帰ってこない猫は黒い

 

不幸な家族はばらばらになり

不幸な飯を不幸に食べる

不幸なふたりははなればなれになり

不幸な飯を不幸に食べる

憎しみを噛み締め思い出を粉砕し

目を真っ赤に燃え上がらせて

まずい飯を一人で飲み込む

 

忙しいので自転車で通勤しながら泣く

忙しいので自転車で帰宅しながら泣く

立ったまま泣き、一行だけの詩を書く

貪り食うパンは固く塩味しかしない

 

2013,5,5

 

 

 

 

Mariko Matsushita

松下まり子

 

Tokyo

東京都在住